「激ヤセ」

 時々芸能ニュースなどで耳にするショッキングで何とも切ない言葉。

 それをまさか自分が身をもって体験することになるとは・・・

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三ヶ月で落ちた体重は7Kg。

 

ダイエットしてる人からすれば羨ましがられそうな減り方ですが、元々痩せ型のおっちゃんにとっては、激ヤセはただただ恐怖でしかありませんでした。

なぜこんなことになったのか?

自分が慢性膵炎になったのではないだろうか?

これまで起きたかき揚げを食べた後のお腹バクバク事件や、アルコールを飲んだ後の甘い尿の臭いとヘソの左上部あたりの鈍痛・・・

こうした幾つかの症状が、慢性膵炎の症状にピッタリ当てはまるように感じたおっちゃんは、不安で眠れぬ日々を過ごしました。

しかし、病院に行くにはもう一歩の踏ん切りがつきませんでした。

「一生付き合っていかなくてはならない」「寿命が短い」「膵臓ガンになる可能性が高い」など、ネットで調べれば調べるほど、慢性膵炎については絶望的な情報しか見つかりません。

そんな情報を目にするたびにショックの連発で、まさに漫画のように「ガーン!」と顔に縦線が幾つも入るような精神状態です。

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ついには、「慢性膵炎どころか膵臓ガンになってしまったのでは?」などと不安のスパイラルはどんどん拡大していきました。

こんな状態を「グーグル病」というらしいです。

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インターネットで自分の症状を検索すればするほど、重病の症状に当てはまるような気がしてきて、ついには「自分は重病にかかっている」と思い込んでいくのです。

こうなると一種の精神疾患にかかり掛けており、「心気症」などと呼ばれます。

小心者のおっちゃんは、ますます病院で検査を受けるのが怖くなってきました。

そして、ついには自己判断で食事制限を始めてしまったのです。

慢性膵炎になると膵臓を刺激しないために、禁酒を徹底した上で、食事では脂質の多いもの、甘い物、カフェイン、香辛料などを避けなければなりません。

そこで肉や揚げ物を一切食べずに、大好きな豆大福やドーナツも一切食べずに・・・

いえ、それどころか毎日ほぼ「ご飯+豆腐+サラダ」という極端なメニューで3ヶ月近くを過ごしたのです。

この極端な食事制限とグーグル病によって絶え間ない恐怖にさいなまれた結果が、3ヶ月で-7Kgという激ヤセです。

自分で痩せるようなことをしておきながら、どんどん減少していく体重に恐ろしくなってきたおっちゃんは、もはや正常な思考では無くなってきました。

やがて「激ヤセ=ガンになった」という図式が頭から離れなくなりました。

「自分はもうガンで長くはない」と思い込んで、急に部屋の整理を始める始末です。

嫁や子どもにも変に優しくなったり、「本当に感謝してるよ」などと普段言わないセリフを言う回数が増えていきました。

窓から外を見て「世界は美しいなぁ」と言ったり、子どもに「人はみな生きているのではない、生かされているんだよ。」などと言ってポカーンとされたり・・・

そしてある日、このおっちゃんの人格の変わりようと、激ヤセした惨めな姿を見てきた嫁が、抑えてきたものを爆発させるかのように言い放ちました。

「お願いだから病院行って!」

「はい。」

(つづく)